qwikWebはじめに

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qwikWebの始まり

メーリングリストとWikiって実は相性いいかも

世の中には様々なWikiエンジンがあります.新しいWikiエンジンも毎日のよう に開発され,日々新機能が追加されています.しかし,その中でもqwikWebは もっとも特徴的なWikiエンジンの一つかもしれません.qwikWebはメーリング リストとWikiが統合しているという特徴を持っており,このような機能を備え たWikiエンジンはqwikWeb一つだけだからです.

次節より,qwikWebのインストールの仕方や使い方の説明に入りますが,その 前に,このメーリングリストとの統合という特徴が何を意味するのかについて 説明します.「メーリングリストと一緒になるって,それに何の意味があるの?」 と思っている方もいらっしゃるかと思いますが,それに対する答えもきっとこ の文章に含まれていると思いますよ.

オフィスでの情報共有

2002年にオフィスでの情報共有のためにWikiが導入され,それが私の初めての Wikiとの出会いです.オフィスで共有する情報は,全てWikiサイト(脚注: WiLiKiを使っていました.)にまとめていくことになったのですが,当初はあ まりいい印象を持っていませんでした.サイトの情報がごちゃごちゃ混乱して いて,どこに何があるのか探すのが難しかったのです.こんなの使ってられな いと思ったのですが,「使いにくかったら自分で直せばいいじゃん」というこ とに気付きました.WikiはFrontPageも含めて自分で編集できるので,自分が 使いやすいように変更すればいいのです.私は,それまでに蓄積されていた情 報を取捨選択し,整理整頓しました.するとこれまでの状態が嘘のように使い やすくなりました.自分で使いやすくなるように整理したのだから当たり前と いえば当たり前なのですが,Wikiは主体的に関わることによって大きな効果を 発揮するということを身をもって体験できました.

大学における情報共有

その翌年に,ある大学(脚注: 東京芸術大学です.)での新入生に対する情報教 育を担当することになりました.ログインの仕方から,メールの読み書きまで 基礎的なことを教えるのですが,そのカリキュラムの一部としてWiki(脚注: PukiWikiを採用しました.この経緯から,qwikWebはPukiWikiやWiLiKiに近い 記法を使っています.)による情報共有を教えることにしました. 新入生にはメールの読み書きと同じくWiki の読み書きをして,授業のまとめ をWikiに書くことを課題としました.結果は大成功で,自己紹介のページを初 めとして,次々と面白いコンテンツが作られるようになりました.(図1)

Wikiは学生だけでなく先生方にも受け入れられ,それによって学内のコミュニ ケーション環境は飛躍的に改善しました.授業のレポートの提出先をWikiにす る授業もでてきて,お互いのレポートをみんなが見られるようになりました. 学生が日々の活動を記録したり,授業のリポートが掲載されたり,日記を書く 先生があらわれたりして,Wikiを見ているだけでお互いがどのようなことをやっ ているのかがよくわかるようになりました.「建物の完成を第一の開校とすれ ば,Wikiの設置は第二の開校である」とおっしゃられた先生もいます.

グループでの情報共有

キャンパスでの情報共有がうまく行くようになったので,次は教員の情報共有 にWikiを使いたいという要望が出てきました.最初は学内Wikiと同じように教 員Wikiを立ち上げればいいと考えましたが,そんなに簡単にはいきませんでし た.教員と一言で言っても,常勤と非常勤では共有できる情報に違いがあるし, 助手の中だけで共有したい情報もあります.それらを適切に区別して特定範囲 だけで共有できるようにしなければなりません.

普段はそのような情報はどのように共有しているのかというと,主にメーリン グリストを使っていました.常勤だけ,助手だけ,またはそれを含めた教員全 員といったそれぞれのメーリングリストが用意されており,内容に応じてメー リングリストを選択することで情報の共有範囲を区別していました.つまり, メーリングリスト一つにつき情報共有範囲が一つあるので,それに対応した数 のWikiサイトが必要ということになります.(図2)

  • ★図2 組織内の情報共有区分とメーリングリストの範囲が対応している

メーリングリスト? グループアドレス?

ここでメーリングリストという言葉を使いましたが,この言葉は注意が必要で す.例えばruby-listのような希望すれば誰でも入れる公開型のメーリングリ ストだけを称してメーリングリストと言う人もいます.しかしここでは,特定 のグループ内の情報共有だけに使われる非公開型のメーリングリストを含めて メーリングリストと言っています.通常は前者の意味に使われるのだとすれば, 後者の非公開型メーリングリストのことを「グループアドレス」といった別の 言葉で呼ぶ方がいいのかもしれません.

  • ★%著者% この節だけ文章の流れから外れているため,長すぎるようであれば削ります

メーリングリストによる情報共有の統合

このように,普段メーリングリストだけで共有しているような情報を,いかに Wikiによる情報共有に移行していけばいいのかしばらく悩んだのですが,実は この悩みは本末転倒していることにようやく気付きました.メーリングリスト による情報共有で満足しているのであれば,それを使い続ければいいのです. それだけでは足りない用途が出てきたら,そのときにはじめてWikiを使えばい い.しかし,その両者をシームレスにつなぐ仕組みはまだ存在していない.こ れを解決すればいいのだということがわかりました.

そこで,普段は普通のメーリングリストとして使え,それだけでは足りない用 途が出てきたらWikiを同時に使えるようなシステムというアイデアが生まれま した.これがqwikWebの「メーリングリストとWikiの統合」というアイデアの 出発点です.

qwikWebでは一つのメーリングリストと一つのWikiサイトが常に同時に作成さ れます.そのWikiサイトにアクセスできるのは,メーリングリストに含まれて いるメンバーだけです.このようにメーリングリストとWikiサイトで情報共有 範囲を一致させることによって,メーリングリストに流せる情報は同じように Wikiサイトにのせることができ,情報公開範囲がとてもわかりやすくなります.

また同時にメーリングリストとWikiが対応していることで,いくつかの工夫が 導入できます.メーリングリストに流れたメールは自動的にWikiにも書き込ま れるので,メールアーカイバのように使うこともできます.また,Wiki上で編 集があったときにはその編集記録が一日一回メーリングリストに流れるので, Wikiで誰かが編集したけど誰も気付かないといったことは無くなります.

このようにメーリングリストと統合することによって,Wikiがもっていた弱点 をいくつも改善することができるようになりました.メーリングリストの長所 とWikiの長所を統合したqwikWebを,みなさんもぜひ使ってみてください.

qwikWebを試しに使ってみたいという人は,私が提供しているqwikWebの実験環 境である「qwik.jp」を使ってみてください.下記URLより使い方が表示されま す.誰でも簡単にメーリングリストを作って,Wikiを使った情報共有を開始で きます.

また,自分のサーバにいれて使ってみたいという人は,ひきつづき次節の qwikWebのインストールの仕方をご覧ください.また,qwik.jpのサービスを利 用される場合は,その次の「qwikWebを使いはじめてみよう」からご覧ください.

Last modified: 2006-08-02 Attached files total: 48MB